1962年に大阪府和泉市で創業の堀田カーペットは、ウィルトン織機でウールカーペットを作り続けています

お手入れ

ウールの遊び毛について

    ウールカーペットからホコリが出てくる。これは「ホコリ」ではなく、ウール素材のセーターに毛玉ができるのと同じ現象で、「遊び毛」といいます。
    この減少はカーペットの欠陥によるものではなく、ウールカーペットのメンテナンスにおいても大変重要な機能の1つです。

    遊び毛が発生するメカニズム

    ウールの糸は通常10cm前後の長さの繊維を並べ、方向を整えた後撚りをかけて繊維の束をしめることによって糸にしています。

    ウール糸を使ったカーペットを横から見ると図3のようになっています。

    ウール糸を使ったカーペットは、カーペットの土台部分より上に出ているパイルの長さが7〜10mm程度のものが多く、原料(ウール)に使われている1本1本の単繊維は10cm前後の長さを持っているため、その大部分がカーペットの土台部分にしっかりと固定されています。

    ですが、図4のように、カーペットの土台に短繊維が届いていない位置で繊維が切られてしまう部分も発生します。この上の部分に残った短い繊維や、通常は10cm程度前後の長さの繊維ですが、天然繊維ウールの短い毛が、徐々に浮き上がってきて毛ぼこりのようになったものが「遊び毛」と呼ばれるものです。

    「遊び毛」は、撚りを掛けられた糸の束の中でしっかりと締め付けられているので、簡単には抜けてきませんが、カーペットの上を歩行したり、触ったりすることで、少しずつ抜け出てきます。「遊び毛」は短い繊維が残っている、新品に近いほど多く発生します。ですが、使用していくに従って短い毛の量も減ってくるため、少しずつ減少してきます。

    使用頻度にもよりますが、おおよそ6ヶ月程度は、かなりの遊び毛が発生しますが、その後は少しずつおさまってきます。

    日常の掃除機によるバキューミングメンテナンスで、表面についた汚れとともに遊び毛も取り除くことで、部分汚れで目立っているところも少しずつ遊び毛とともに取り除かれ、カーペットの美観を維持しています。

    高級ホテルやブティックなどが、ウールカーペットを選択するのは、遊び毛によって汚れがめだちにくくなり、長く美観が維持できるというメリットがあるからです。

    遊び毛の量は、商品にもよりますが、6帖のお部屋を一度掃除すると、掃除機のタンクが遊び毛でいっぱいになるくらい出ます。はじめは驚かれ、カーペットから毛がなくなってしまうのではないかと、心配になるかもしれませんが、ウールは多くの空気を含んでいるので心配する必要はありません。
    一般的にホテルなどの土足で使用する場所でも、10年近く使っているところもあります。

    メンテナンスを丁寧にすることで、長く使うことができるのがウールカーペットです。