DICTIONARY
床暖房にカーペットを施工する方法
「床暖房対応商品はありますか?」「床暖房の上にカーペットを施工したいのですが、大丈夫ですか?どのように施工すればいいですか?」という床暖房に関するお問い合わせをたくさんいただきます。今回は床暖房とカーペットに関する内容をお伝えしたいと思います。
床暖房対応商品
床暖房対応の商品は、敷き込み用カーペットwoolflooringのロールカーペット「woolflooring Roll」と、COURTのラグ全商品です。woolfloringのロールカーペットは、リノベーションや新築で部屋一面にカーペットを敷き込む際に、床暖房の上にも施工できるものです。COURTのラグは、すでに床暖房が施された部屋に敷いてお使いいただけます。
一方、woolflooringの中でもタイルカーペット「woolflooring Tile」と、WOOLTILE全商品は床暖房に対応していません。どちらも製法上熱がかかることで不具合がおこる可能性があるためです。堀田カーペットのタイルカーペットはどれも床暖房不可とご理解いただけたらと思います。
woolflooring Tileは、表面のパイル部分と裏のクッション部分を樹脂で張り合わせてつくっています。熱が加わることで、パイル部分と裏のクッション部分がはがれてしまう可能性があります。
WOOLTILEは、樹脂で糸を接着しているため、床暖の熱が加わることで、糸がごそっとぬけてしまう可能性があります。
弊社でもカーペットそのものに熱をかけて、カーペットの変化を見るテストを行っており、テストでは問題ありませんが、実際の使用時には、様々な力がかかる可能性があることから、床暖房不可としています。
- 床暖房対応○:woolflooring Roll、COURT全商品
- 床暖房不可×:woolflooring Tile、WOOLTILE全商品
※woolflooringのリンク内で、ロール/タイルはタブで切り替えて表示ができます
床暖房+カーペット施工の推奨方法
ここからは、床暖房の上に、カーペットを敷き込む際の施工方法についてご紹介します。堀田カーペットでは、woolflooringのロールカーペットが対象商品です。
床暖房の上にカーペットを敷き込むことは可能ですが、床暖房メーカーとカーペットメーカーでは、お互いにそれぞれの商品が最大限快適になるように、またトラブルにならないようにするため、推奨する施工方法は相反するところがあります。
床暖房メーカーは、床暖房の効率が最もよくなるように、床暖房機器のトラブルがないような施工方法を推奨しています。一般的には、カーペット用の床暖房パネルの上に、カーペットをそのまま施工する直張り工法という方法を推奨しています。他には、床暖房パネルの上に捨て貼り(合板)を敷いて、その上からカーペットを施工する方法もあります。
私たちカーペットメーカーでは、できるだけカーペットのクッション性を高め、お客様に長くお使いいただけることを考えフェルトグリッパー工法を推奨しています。床暖パネルの上に、クッション材を敷き込み、その上からカーペットを施工する方法です。
このように、お互いに推奨施工方法が違うことによって、床暖房メーカーは、自社の推奨方法以外で機器にトラブルが発生した場合や、床暖房効率が悪くなった場合には、保証していただけません。カーペットメーカーは、施工方法については床暖房メーカーにお問い合わせください、となっているのが現状です。
しかし私たちは、これまで床暖房が設置されたお客様に、フェルトグリッパー工法でたくさん施工させていただきました。実際に私も試験のために、床暖房パネルの上に、フェルトグリッパー工法で施工したカーペットで暮らしていますが、冬もきちんと暖かくなり、大変快適に過ごしています。あくまでも施主様にご理解いただいた上にはなりますが、弊社としては、フェルトグリッパー工法をおすすめしています。
具体的な施工事例
弊社のこれまでの経験では、まだ電気式床暖房については実績がありません。ガス式温水マット床暖房(具体的には大阪ガス様、三菱電機様の床暖房)では実績があります。実際に施工する際は、工務店様、設計事務所様、施主様など関係者様のご理解をいただいた上で、床暖房の種類も考慮して施工する必要があります。
以下は床暖房にカーペットを施工する際の写真です。専門的ですが、施工のイメージになれば幸いです。なお、グリッパーというのは、木材に釘が沢山ささった針山のようなもので、このグリッパーと壁の隙間にカーペットを押し込むように施工していきます。
床暖房で、かつフェルトグリッパー工法で敷いたカーペットの暮らしは、私が実際に実感していますが、本当に快適です。フローリングなどの硬い床材に比べ、あたたまるのは少し遅いのかもしれませんが、気になることはなく、カーペット全体が温められるので、家全体に暖かさが伝わります。また、一度温まってから、床暖房の電源を切っても、弊社のカーペットはたくさんの空気を含んでいるので、簡単に冷えることはなく、しばらく温かい状態が維持できます。
実際の使い方としては、真冬はお昼の時間帯は床暖のレベル1(一番弱い)状態でつけっぱなしにしていると、エアコンなどは必要ないくらい快適にお過ごしいただけるかと思います。
床暖房の上に、カーペットを敷くことをご検討の皆様の参考になればと思います。