DICTIONARY
カーペット床材のデメリット
カーペットの良いところはたくさんありますが、万能というわけではなく、デメリットに感じられる部分もあります。これまでDICTIONARYでは様々な角度からカーペットの魅力をお伝えしてきましたが、今回はカーペットメーカーとして感じる、ウール素材の敷き込みカーペットのデメリットをご紹介させていただきます。
1.汚れないわけではない
これまで密度のあるウール素材は、汚れがつきにくく落ちやすいというご紹介をしてきましたが、決して汚れないわけではありません。長くご使用いただく中で、どうしてもとれにくい汚れが出てきて、その蓄積で全体的に汚れが目立つようになることはあります。
弊社の商品は、使えなくなることはありませんが、汚れの目立ち方に我慢できなくなるタイミングが敷かえのタイミングです。ホテルなど土足でご使用いただいているところでも、10年、長いところでは20年くらい使われるところもありますので、住宅での敷かえのタイミングは、10年〜20年の間くらいが1つの目安になるかと思います。もちろん使う場所や選ばれる商品によっても異なってきます。汚れやへたりが気にならなければより長く使われることもあります。
汚れの目立ちかたを抑える工夫として、少し色の濃い商品を選んでいただくこと、色々な色が混ざった商品を選んでいただくことで、汚れの目立ち具合はかなり変わってきます。
2.ヘタってくる
硬い床材ではないので、毛が寝てしまって、クッション性は少しずつなくなっていきます。住宅でのご使用の場合、特に毎日過ごすリビングや、階段のよく通る場所が比較的早くへたってきます。5年〜7年くらいで、よく使う場所とそうではない場所とでは、クッション性もかわってきますし、見え方もかわってきます。
弊社の商品は、フェルトグリッパー工法という方法で施工をし、下にクッション材をいれて施工をするので、仮にへたったとしても、クッション性がなくなるわけではありませんが、硬い床材にくらべてよく使う場所、あまり使わない場所での変化は大きく感じられるかもしれません。
3.お掃除はしっかり
硬い床材はホコリを舞い上げてしまい、カーペットはホコリを床に吸着するので、硬い床材にくらべてカーペットの床材の方が舞い上がるホコリが1/10程度になります。しかしだからといってアレルギーにならないわけではありません。ダニは、布団と比較すると1/100程度ではありますが、ダニがいないわけではありません。お掃除をしない状態で長く使っていると、ダニの温床になる場合もあります。
そういった環境をつくらないためにも、適切な掃除機によるお掃除は、必要です。硬い床材ですと、普段はルンバなどの掃除ロボットだけで良い場合もありますが、ウールカーペットは定期的に必ず掃除機による掃除が必要です。また、遊び毛が出るので、硬い床材よりしっかり掃除機をかけていただく必要があり、毎日のお掃除の負担は大きくなると思います。私の経験ですが、掃除機の故障の頻度も硬い床材に比べると多いのではないかと思います。
4.初期投資が大きい
弊社の商品をお使い頂く場合、初期予算はある程度かかってしまいます。6畳で20万円〜30万円、100㎡くらいの家全体に施工する場合、150万円〜200万円程度がおおよその目安です。フローリングの場合、大工さんが他の工事と同じように施工をしていただけるので、仮に無垢材を使ったとしても、弊社の商品より安くなる場合が多いと思います。
ですが、間取りの変更や床材の張替えがある場合、カーペットの方が簡単で安くなる場合もあります。フローリングの場合、一般的に既存のフローリングを剥がさず、既存の上にもう一枚貼るという方法で修繕していきます。この場合、床が少し上がってしまうので、建具の修繕が必要になったりするため、コストが高くなる場合があります。また、せっかく全体的に床の高さがフラットな状態に対して、フローリングをもう一枚貼ると、その部分だけ段差ができてしまいます。
カーペットは、場合によっては下に使っているクッション材はそのまま使うことができることもあるので、簡単に施工ができ(1日〜2日の工事)、それほどコストがかからない場合が多いです。
まとめ
今回はデメリットについてとりあげましたが、カーペットを敷いた心地よさは他の床材と比べても圧倒的です。また、ウールのカーペットは調湿性や保温力に優れ、1年を通していつも気持ちよく過ごすことができます。CARPET LIFEでもカーペットのある暮らしをご紹介していますが、カーペットを敷いていただくと、本当に暮らし方そのものが変わると思います。
弊社の商品は皆さんが思っているほど汚れたりする商品ではありません。カーペットに関わらず、その他の床材にも、メリットだけではなくデメリットもあります。完璧な商品を求めるのではなく、皆様の暮らし方を想像していただきながら、最適な床材をお選びいただけるのが、もっとも皆様の豊かな暮らしにつながるのではないでしょうか。その中に、ぜひカーペットの床もご検討の1つに加えていただければと思います。
(参考)