1962年に大阪府和泉市で創業の堀田カーペットは、ウィルトン織機でウールカーペットを作り続けています

お手入れ

カットorループ?毛足(パイル)の形状による遊び毛量の違いを検証

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    目次

      カーペットの毛足の形状には「カットパイル」と「ループパイル」の2種類があります。

      • 毛足が切れているものを「カットパイル」
      • 毛足が輪っか状態につながっているものを「ループパイル」

      と呼んでいます。カットパイルの方が柔らかな踏み心地、ループパイルの方がしっかりとした踏み心地のものが多いです。

      弊社のカーペットには

      • カットパイルのもの
      • ループパイルのもの
      • カットパイルとループパイルが混ざったもの

      の3種類があります。

      カット(107)

      ループ(120)

      カット&ループ(HDC906(廃盤))

      意匠性、目的やウールの材質などによりパイルの形状を決めるわけですが、使い勝手に関してはどうなのでしょうか?

      一般的にはこのような特徴があります。

      • カットパイル=汚れがつきやすいが、落としやすい
      • ループパイル=汚れがつきにくいが、落としにくい

      汚れの落ちやすさの要因のひとつに遊び毛が関わっています。

      ウールのカーペットは、自然に遊び毛(毛羽)が出てきます。掃除機をかけることで、遊び毛が汚れを絡めとってくれるので、表面に汚れが溜まりにくいという特徴があります。

      つまり、毛足が切られているカットパイルの方が遊び毛が出やすいので、汚れが落ちやすいわけですが、実際にどの程度の差があるものなのか、実験してみました。

      実験

      ウール100%のカットパイル(107)とループパイル(119)で実際に試してみました。まず各々幅35cm×長さ1mの生地を用意しました。左がループパイルの119、右がカットパイルの107 です。

      左:ループ 右:カット

      カット

      カットパイル

      ループパイル

      ループパイル

      カットパイル

      右のカットパイルから掃除機をかけます。1mの長さ方向に30回往復します。

      遊び毛はこれだけ出ました。

      カットパイルは0.35gです。

      ループパイル

      つづいてループパイルも同様に30回掃除機をかけました。遊び毛の量はこのようになりました。

      見た目にも少ないですが、量ってみると0.2gでした。

      遊び毛量をならべると

      左:ループ 右:パイル

      厳密な検査ではないので参考程度ですが、ループパイルの方が遊び毛量が少ない、想定通りの結果になりました。

      まとめ

      ラグやカーペットを選ぶ基準は、素材、意匠性や色、踏み心地や手触りなど多岐にわたりますが、お手入れの楽さを重視される方はループパイルのカーペットを選ぶのもひとつの手段かもしれません。特にごみタンク容量が小さいロボット掃除機をご使用の方には、重要な視点だと思います。

      ウールの原料となる羊毛自体の太さや長さは、産地や羊種により異なるため、ひとことにカットループといっても、物によって、遊び毛の量には差があります。また、糸の作り方によっても遊び毛の量は異なります。

      ラグやカーペットを選ぶ際は、サンプルなど実際に見て、触って選ぶことをおすすめします。あらかじめ触って質感や遊び毛の様子を確認しておくことで「まさかこんなに遊び毛が出ると思わなかった」などのイメージとのギャップを避けられるかと思います。また、わからない場合には、お店のスタッフやメーカーに問い合わせてみるのも一つの方法です。

      (参考)ウールの遊び毛について