1962年に大阪府和泉市で創業の堀田カーペットは、ウィルトン織機でウールカーペットを作り続けています

お手入れ

カーペットメンテナンス〜3週間放置したオレンジジュース編〜

    第1回目に引き続き、ご家庭で一番汚れやすい「液体汚れの対処」です。
    前回はこぼしたオレンジジュースをすぐに対処する方法をご紹介しました。

    今回は3週間放置したジュースのシミを2つの方法で実験してみます。

    オレンジジュースをこぼしたまま、3週間放置しました。

    濃淡はありますが、かなりはっきりとシミになってしまいました。

    このシミが除去できるのか?

    方法その1:お湯

    少量のお湯を汚れた箇所に垂らし、乾いた布もしくはキッチンペーパーなどで叩くように汚れを吸い出します。
    お湯を大量に注いでしまうと、カーペットが歪んでしまう可能性があるので、少量ずつ垂らしましょう。また、温度は40℃以上をおすすめします。

    決してこすらないでください。

    なかなか手ごわいですが、根気よく吸い出します。

    見ての通り、ほぼ汚れは落ちました。

    方法その2:スチームクリーナー

    家庭用の一般的なスチームクリーナーで試してみます。

    今回の実験ではケルヒャー社のSC-1プレミアムを使用します。

    シミがついたところにスチームを当てます。

    「スチームして、吸い出す」を繰り返すと、徐々に汚れが取れていきます。

    なかなか手ごわいですが、繰り返しスチームすると・・・この通りです。

    おおよそシミを除去できました。

    実験結果

    お湯とスチームクリーナーのどちらの方法でもほぼ汚れを除去することはできましたが、3週間も放置してしまうとやはり若干汚れは残ってしまいます。オレンジジュースなど、色の濃いものをこぼしてしまった場合にはなるべく早く汚れを除去していただくことが大切です。

    お湯であればどのご家庭でも用意ができますが、さじ加減がやや難しいです。「繊維が少し濡れる程度にお湯を垂らし吸い出す」ことを繰り返し行わなければならず、少し手間がかかります。ここで一気にお湯をかけてしまうとカーペットが歪んでしまう恐れがあります。

    一方、スチームクリーナーは常に安定した量の蒸気を発しているため、カーペットがズブ濡れ状態になることが少なく、汚れを除去した後も乾きやすく、歪みがでにくいといったメリットがあります。 今回使用したケルヒャー社のSC-1の場合温度調節ができないものでしたが、他社製品では温度設定を変更できるものもあります。その場合、あまり高温の設定でスチームクリーナーを使用するとウールが変色してしまう可能性がありますので、中低温で使用いただくことをおすすめします。

    スチームクリーナーには汚れを落とすだけでなく、高い除菌効果があります。カーペットをご使用の際には1台あると便利だと思います。

    なお、無理にドライヤーなどで乾かそうとすると、除去しきれずに残ってしまった糖分などが焦げて繊維が茶色くなってしまうことがありますので、自然乾燥をおすすめします。

    2回に分けてご紹介しました液体をこぼしてしまったときの対処方法のまとめです。

    • すぐにタオルで吸水する。決してこすらない。
    • しつこい汚れは熱湯かスチームクリーナーを使う。決してこすらずに、自然乾燥。

    残ってしまった汚れは定期的に掃除機を使うことで遊び毛と一緒になくなるのか、という実験も今後実施していきます。

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