DICTIONARY
今回はカーペットの基本的なメンテナンス方法についてご紹介します。
「カーペットのホコリとアレルギー」の記事で、「カーペットのお部屋は、カーペットがホコリをキャッチしてくれるので、空気中のホコリの量は、他の床材に比べて少ない」と紹介させていただきました。
では、カーペットについたホコリはどうやって取り除くのでしょうか?
今回は「ウールの織物のカーペット」についてご紹介します。
カーペットには多くの種類があります。それは素材、ものづくりの方法、敷き込み方、形状など……。各メーカーにより、少しずつ掃除の紹介の方法も違います。「カーペットの掃除方法はこれで大丈夫!」というのが限定できません。
もちろん共通しているところもたくさんありますが、できるだけ正確にお伝えするためにも、「ウールの織物のカーペット」に限定してご紹介したいと思います。
毎日のお掃除は掃除機をかけるだけ
「カーペットが汚れたら専門の業者にクリーニングをお願いした方がいいですか?」
「カーペットって汚れたら大変ですよね?」
という声はよくお聞きします。
ですが、カーペットのメンテナンスはそれほど難しいものではありませんし、ウールの織物のカーペットを使っていただくと、汚れてしまって使えなくなる、というほどにはなりません。
日常のメンテナンスは、非常に簡単です。掃除機を丁寧にかけるだけで問題ありません。「掃除機をかける」ということについては、どんな商品にも共通しているメンテナンス方法です。
ウール素材のカーペットですと、「遊び毛」(毛玉のようなもの)が出てきますので、この「遊び毛」を取り除くように掃除機をかけると、汚れもホコリも一緒に取り除くことができます。
ホテルのロビーのカーペットやブランドショップの床のカーペットに、汚れがひどいカーペットが少ないのは、遊び毛と一緒に汚れも出てきて、それを丁寧に掃除機で取り除いているからです。
ロボット掃除機とウールカーペット
ルンバなどのロボット掃除機は大丈夫ですか? とよくご質問をいただくのですが、カーペットを長く綺麗な状態で使うためには、できればより吸引力のある掃除機を使ったほうが良いと思います。
ロボット掃除機を使うことはほとんどのカーペットは可能です。(毛の長さが40mmを超えるようなカーペットだとロボット掃除機は止まってしまい、カーペットの端を障害物と判断してしまう場合があります)
しかし、ルンバなどお掃除ロボットでは、表面のホコリや汚れは取り除けるかもしれませんが、中に入ってしまっているものを取り除くことができません。
また、「コロコロ」についてもよくご質問をいただきます。「コロコロ」は表面のゴミを取り除くには大変便利なのですが、できれば避けたほうがいいです。「コロコロ」は粘着力があるので、ゴミは取り除けますが、同時に繊維そのものを痛めてしまいます。
皆さまが、洋服のゴミを取り除くときに、粘着テープで取り除くと毛羽立ってしまった経験はないでしょうか? カーペットも洋服と同じ「ファブリック(布製品)」です。一度毛羽立ってしまったものをもとに戻すことはできません。
ブラシの回転する掃除機を使って掃除をしましょう。
ではどんな掃除機を使えば良いのか?
ウールの織物カーペットには「Dyson」がおすすめ!
ウールの織物のカーペットの場合、ブラシが回転する掃除機をご使用することをおすすめします。ウールの成分は「髪の毛」と基本的に同じです。髪の毛もお風呂上がりにはドライヤーで乾かし、ブラシをかけますね。もしブラシをかけずにそのままにしておくと、毛が絡まってしまったり、枝毛の原因になったりします。
ウールも同じです。ブラシをかけることで、毛同士が絡まってしまうことを防止できますし、同時に「遊び毛」もたくさん出てきて、汚れも取れていきます。
その中でも、「Dyson(ダイソン)」をおすすめしています。「Dyson」の掃除機は、カーペットの床材の場合、他の掃除機に比べて吸い取るホコリの量が倍くらい違います。実際に私も会社や自宅で「Dyson」を使っています(私の家はウールの織物のカーペットを使っています)。
ご注意いただきたいのは、Dysonの掃除機でも、必ずカーペット用のヘッドをお使いください。フローリング用のヘッドでお掃除をすると、遊び毛をカーペットに押し付けているようなお掃除になってしまい、逆効果になることがあります。
ダイソンの掃除機を使ってウールの織物のカーペットを掃除すると、きっとびっくりされると思います。あっという間に、タンクが遊び毛でいっぱいになってしまうからです。
でも心配はご無用です。
カーペットから毛がなくなってしまうわけではありません。ウールはとてもふくらみがある繊維ですので、タンクがいっぱいになっても約10g程度(商品や糸によって違いはありますが)しかありません。通常ウールの織物のカーペットは、1平方メートルあたり、1kg以上のウールを使っているものが多いです。遊び毛は、決して出なくなることはありませんが、徐々に少なくはなってきます。
ホテルのロビーのカーペットでも、最低でも7年くらいは使っていますので、住宅用でしたら10年以上は問題なく使えると思います(実際に私の家では20年間一度も交換していない部屋もあります)。
皆さまが思っているほど、カーペットのメンテナンスは難しくはありません。すでにご紹介していますが、私の家では家中カーペットを敷いています。キッチンにまで敷いていますし、小さな子供がクレヨンで落書きしたり、食べこぼしたりも頻繁です。
それでもそれほど汚れを気にすることなく使っていますが、メンテナンスは毎日掃除機をかけているだけです。
ためしにウールの織物のカーペットを使ってみてください。
次回は、カーペットがペシャンコになってしまったとき、食べこぼしをしてしまったときのメンテナンスをご紹介します。
関連記事
・ウールの遊び毛について
https://hdc.co.jp/basic-maintenance/
・ルンバとカーペット
https://hdc.co.jp/ルンバとカーペット/
※この記事は弊社代表堀田がAll Aboutに寄稿した記事を再編集して掲載しています