DICTIONARY
カーペットの毛足の形状には「カットパイル」と「ループパイル」の2種類があります。
- 毛足が切れているものを「カットパイル」
- 毛足が輪っか状態につながっているものを「ループパイル」
と呼んでいます。カットパイルの方が柔らかな踏み心地、ループパイルの方がしっかりとした踏み心地のものが多いです。
弊社のカーペットには
- カットパイルのもの
- ループパイルのもの
- カットパイルとループパイルが混ざったもの
の3種類があります。
意匠性、目的やウールの材質などによりパイルの形状を決めるわけですが、使い勝手に関してはどうなのでしょうか?
一般的にはこのような特徴があります。
- カットパイル=汚れがつきやすいが、落としやすい
- ループパイル=汚れがつきにくいが、落としにくい
汚れの落ちやすさの要因のひとつに遊び毛が関わっています。
ウールのカーペットは、自然に遊び毛(毛羽)が出てきます。掃除機をかけることで、遊び毛が汚れを絡めとってくれるので、表面に汚れが溜まりにくいという特徴があります。
つまり、毛足が切られているカットパイルの方が遊び毛が出やすいので、汚れが落ちやすいわけですが、実際にどの程度の差があるものなのか、実験してみました。
実験
ウール100%のカットパイル(HDC907)とループパイル(HDC919)で実際に試してみました。まず各々幅35cm×長さ1mの生地を用意しました。左がループパイルのHDC919、右がカットパイルのHDC907 です。
カットパイル
右のカットパイルから掃除機をかけます。1mの長さ方向に30回往復します。
遊び毛はこれだけ出ました。
カットパイルは0.35gです。
ループパイル
つづいてループパイルも同様に30回掃除機をかけました。遊び毛の量はこのようになりました。
見た目にも少ないですが、量ってみると0.2gでした。
遊び毛量をならべると
厳密な検査ではないので参考程度ですが、ループパイルの方が遊び毛量が少ない、想定通りの結果になりました。
まとめ
ラグやカーペットを選ぶ基準は、素材、意匠性や色、踏み心地や手触りなど多岐にわたりますが、お手入れの楽さを重視される方はループパイルのカーペットを選ぶのもひとつの手段かもしれません。特にごみタンク容量が小さいロボット掃除機をご使用の方には、重要な視点だと思います。
ウールの原料となる羊毛自体の太さや長さは、産地や羊種により異なるため、ひとことにカットループといっても、物によって、遊び毛の量には差があります。また、糸の作り方によっても遊び毛の量は異なります。
ラグやカーペットを選ぶ際は、サンプルなど実際に見て、触って選ぶことをおすすめします。あらかじめ触って質感や遊び毛の様子を確認しておくことで「まさかこんなに遊び毛が出ると思わなかった」などのイメージとのギャップを避けられるかと思います。また、わからない場合には、お店のスタッフやメーカーに問い合わせてみるのも一つの方法です。
(参考)ウールの遊び毛について