CARPETROOM PROJECT

DICTIONARY

これまでDicitonaryではウールカーペットの素晴らしさをメンテナンス性や機能面など、あらゆる面からご紹介してきました。

すべての記事に目を通していただくとより深くウールカーペットの良さをご理解いただけますが、かなりのボリュームになりますので、本記事ではウールカーペットの良さを端的にまとめてお伝えしたいと思います。

1.ウール素材の特性

まず、ウール(羊毛)は様々な優れた機能を持つ素材です。以下のような機能があります。

  1. 復元力
  2. 汚れがつきにくく、落ちやすい
  3. 難燃性
  4. 保温性
  5. 調湿性
ウールの繊維構造 出典:ザ・ウールマーク・カンパニー

出典:ザ・ウールマーク・カンパニー

上記のような機能を有するウール素材でカーペットを作ると、どうなるでしょうか。

「パイル(毛足)がへたりにくく、汚れがつきにくい上に、燃えにくいカーペットで、冬場は暖かく、夏場は涼しい保温性・調湿性に優れたカーペット」となります。

つまり「便利で快適に長く美しく使える素晴らしいカーペット」というわけです。

さきほどあげたウールの特徴を、カーペットにした場合どのような特性になるかご説明します。

  1. 復元力…毛がへたりにくく、一度凹んだとしてもスチームなどをあてることで回復することができる
  2. 汚れがつきにくく、落ちやすい…ウールの油分やキューティクルで水分をはじき、汚れ自体がつきにくく、落としやすい
  3. 難燃性…ウールは窒素や水分を含んでいる難燃繊維として認められいるため、安心して屋内に使える
  4. 保温性…保温性が高いため冬はあたたかく、夏も涼しく快適に過ごすことができる
  5. 調湿性…湿気の多い時期でもべたつかず、冬には窓の結露防止にもつながる

天然素材は機能性が劣るのではないか、と思われていた方もいらっしゃると思いますが、このように、ウールは天然素材ならではの肌触りや心地よさをもちながら、機能的にも大変優れた素材です。

また、アレルギー性の喘息や鼻炎などにお悩みの方はカーペットを敷くこと自体を大丈夫?と不安に思われると思いますが、カーペットは空気中にホコリが舞い上がりにくいため、フローリングよりもホコリを吸い込むことが少ないといわれています。エアコンや空気清浄機を使うにしても、まずはカーペットで細かなホコリが舞い上がりにくい環境にしてからご使用されるとより効果的ではないでしょうか。

また、ダニはウールを食べるわけではなく、皮脂や角質、食べこぼしなどエサになる物がある状態で発生しやすくなります。毛足が短く密度の高いカーペットであれば、ダニのエサになるようなゴミも入りこみにくく、除去しやすいので、フローリングと同じく日々の掃除を丁寧にすることで、ダニも発生しにくいので安心してお使いいただけます。

2.カーペットの良さは素材で決まるのか?

ウール素材の魅力をお伝えしてきましたが、カーペットの良さを決める要素は素材だけではないと思っています。もちろん素材は重要ですが、素材と共に重要なのは「密度」「製法」です。

密度

様々な機能を持つウールですが、密度が低いと本来もつ性能を発揮できません。密度が低いとパイルはへたりますし、燃えやすくなり、保温性や調湿性も著しく低下してしまいます。また密度の高いカーペットだと、毛の隙間にゴミが入りづらいため表面に掃除機をかけるだけで美しく保つことができます。

製法

高密度なウールカーペットだからといって長く使えるとは限りません。製法によっては接着剤の成分が劣化することで、剥離が起こり、カーペットの表面が浮き上がってきたり、劣化した成分が白い粉末状に吹き出てくることがあります。カーペットには様々な製法があり、大きく分けて「刺繍」と「織り」に分類されます。堀田カーペットが得意とする「ウィルトン織り」は製法上、耐久性に優れ、化学的な成分が少ないカーペットです。

3.結論

床一面に敷き込み施工するカーペットはいわば「建材」であり、「床」そのものです。ラグのように簡単に敷きかえできないので、長い年月を経ても、美しく使える物である必要があります。

そのため私たちは、
ウール又はウールを主材料とした素材 × 高密度 × 織物のカーペット = 便利で快適に長く美しく使えるカーペット
だと考え、生産上の効率や価格面では劣る部分はあるものの、旧式のウィルトン織機で、ウールのカーペットを自社で丁寧に生産し続けています。   

(参考)