1962年に大阪府和泉市で創業の堀田カーペットは、ウィルトン織機でウールカーペットを作り続けています

選び方

国産カーペットメーカーが注目する世界のカーペット

    世界のカーペット・絨毯の産地というと、ペルシャ、トルコなどの中央アジアが中心の、手織り絨毯が有名ですが、世界には様々な工法、素材でつくるメーカーがたくさんあります。

    今回はカーペットのプロである、堀田カーペット代表の堀田将矢が、世界の気になるカーペットメーカーをご紹介します。

    Kasthall(カスタール)

    カスタールは、スウェーデンのカーペットメーカーで、織物、ハンドタフテッドのラグを製造している、歴史のある会社です。僕は、訪問したことはないのですが、「糸」のデザイナーがいるらしく、糸そのものから開発されている数少ないメーカーではないかと思います。織物は織物らしいデザイン、ハンドタフテッドはそれらしいデザイン、それぞれものづくりを深く理解し、デザインされています。

    最近のラグのデザインは、いわゆる「グラフィックデザイン」の要素が多く、僕はカーペットのデザインとして物足りなさを感じています。その中でカスタールは、「糸」「テクスチャー」「グラフィック」というカーペットデザインの要素を、うまく組み合わせて、秀逸にデザインされています。

    堀田カーペットは、織物カーペットでは世界でも負けない技術を持っていると思っていますが、商品力としてカスタールにはまだ届いていないのではないかと自己評価しています。

    ぜひ一度訪問してみたいです。

    日本取り扱い店
    https://www.kasthall.jp

    Ruckstuhl(ルクスツール)

    ルクスツールは、創業100年を超えるスイスのカーペットメーカーで、様々なカーペットをつくっていますが、僕が一番最初に衝撃を受けたのは、「平織り」と呼ばれているパイルのない薄いカーペットです。

    https://www.ruckstuhl.com/product-category/carpets/wall-to-wall-carpets/

    密度の高い緻密で繊細な織物デザインは、ルクスツールが世界で一番上手だと思います。

    もう一つ上手だと思うのは、ラグの「耳」のデザインです。とてもマニアックは話なのですが、織物カーペットをラグにするときには、必ず生地の端の部分をホツレないように何かしら加工が必要です。一般的にはオーバーロックといって、糸をくるくると回す加工が一般的ですが、ルクスツールは本皮テープをまわす加工や、色の組み合わせが秀逸にデザインされています。画像でご紹介できないのが残念ですが、ぜひ実物を見ていただきたいと思います。

    サンプル帳や、現物見本など、販促物もとてもかっこよく、堀田カーペットも見習っていきたいと思います。

    日本取り扱い店
    https://www.mutsumi-ya.com/brand/ruckstuhl.html

    Beni Rugs(ベニラグ)

    僕が最近一番気になっているモロッコのラグメーカーです。モロッコのラグは「ベニワンラグ」と呼ばれ、似たようなデザインのものはたくさんでまわっていると思いますが、おそらくこのメーカーが、モロッコの伝統的なラグを今の時代に引き継いでいるメーカーだと思います。

    僕はカーペットの良さは「密度」があるものだと思っていますが、こちらのラグは「密度」はありません。ただ手織りならではのデザイン、風合いはとても素敵です。手織りの良さは、繊細でありながら不均一なところ。均一の中の不均一が、手織りの魅力なのだと思います。

    モロッコにもぜひ行ってみたいです。

    こちらのラグは、似たようなものは日本でも買えるものがありそうですが、こちらのメーカーの正規代理店は、現状日本ではないようです。(堀田カーペット調べでは見つけられませんでした)

    Lantal(ランタール)

    ランタールはスイスの航空機などのカーペットをつくるテキスタイルメーカーです。ランタールのカーペットは、ボーイングなどの航空機用カーペットの市場では、右に出るものがいない技術力を持っています。航空機用のカーペットはとても特殊で、「難燃」、「軽量化」が極端に求められます。一般的なカーペットとは少し異なりますが、こういった技術に特化した会社として、とてもかっこいいカーペットをつくっている会社です。

    PAOLA LENTI(パオラレンティ)

    パオラレンティは、イタリアのアウトドア家具のブランドですが、もともとはラグのブランドです。登山のロープのようなものを使った頑丈なラグで、屋外でも使えます。

    そもそもロープを使ったラグ、というのは、昔日本でもたくさんつくられていた「チューブマット」と呼ばれていたものがあります。大阪南部でもかなりの量がつくられ、世界中に輸出入していた時代があったようですが、いわゆる「安物」みたいなイメージがついて現在の日本では作られていないと思います。

    パオラレンティのラグは、そのチューブマットに着想を得たわけではないとは思いますが、とにかくかっこいい!これにつきます。僕もいつか欲しいと思うラグです。

    GAN(ギャン)

    GANはスペインのブランドで、メーカーではありません。パトリシア・ウルキオラがディレクション、デザインに入り、オリジナルラグを企画販売している会社です。

    個人的には、欲しいと思うラグではありませんが、最近のラグのコレクションは、なかなかおもしろいものづくりをしていると感じています。

    ファブリックは、「織り」「フェルト」「編み」のいずれかのファブリックに「刺繍」などの加工を加えて作られていますが、これらの組合わせをうまくデザインに活かしているように思います。

    日本でも取り扱いがあるようですが、いろいろなショップで販売されているので、検索してみてください。

    Old Kirim(オールドキリム)

    メーカーではありませんが、「キリム」という中央アジアを中心にした手織りの平織りのラグがあります。正直なところ品質の良し悪しが僕にはわかりませんが、「オールドキリム」と呼ばれているビンテージは、世界のオークションなどで出品されており、とてもかっこいいです。

    「ライトオークション」というオークションでは定期的に出品されているようです。僕も現物はみたことはありませんが、興味津々で、いつか欲しいと思いますが、とても高額です・・。

    HOTTA CARPET

    British Colour TAN

    最後に、手前味噌ですが、当社のラグシリーズ「WOOLRUG」です。
    ホテルなどのカーペットを手掛けてきた堀田カーペットが、はじめて「ラグ」というプロダクトに向き合ってつくってきたブランドです。ウール素材や織り、ラグ加工の方法など、堀田カーペットの様々なこだわりがつまっている国産のウールラグです。

    ぜひご覧ください。

    WOOLRUGオンラインショップ