1962年に大阪府和泉市で創業の堀田カーペットは、ウィルトン織機でウールカーペットを作り続けています

施工方法

カーペットの施工について 〜ダブルスティック工法〜

    敷き込みカーペットの施工する方法はいくつかあります。これまで「フェルトグリッパー工法」をご紹介してきましたが、今回は直貼りの「ダブルスティック工法」をご紹介いたします。

    ダブルスティック工法は、フェルトグリッパー工法と同じく、カーペットの下にクッションを敷き込みますが、「クッション材とカーペットを接着剤で貼りあわせる」というところが最も異なる点です。直貼りのメリットとしては、たるみがでないところです。キャスター付きの家具や椅子などをカーペットの上で転がしたりしてもずれることがないため、オフィスやカジノ施設など、広い面積に大きな家具を設置する空間に適しています。この工法では、薄手のカーペットが適しており、WOOLFLOORINGだと121が該当しています。121のような平織りの商品は、フェルトグリッパー工法で施工をすると、グリッパーの針がでてしまって危険な場合があり、ダブルスティック工法を推奨しています。

    今回はダブルスティック工法での施工現場から、その方法をご紹介いたします。

    BEFORE

    まずは床の清掃を行います。

    クッション材を敷きこむ

    仮敷き・裁断

    下地となるクッション材を敷き込んでいきます。クッション材は、フェルトグリッパー工法で使う「ハイクッション」とは異なります。ダブルスティック工法では、接着剤の染み込みをふせぐコーティングが施された「シュアロック」というクッション材を使っています。まずは部屋のサイズに応じて裁断を行い、接着剤で貼り付けていきます。

    裁断には「パーキリ」という道具で、カットしていきます。先端にカッターの刃がついています。

    接着剤を塗る

    接着剤の塗布にも技術が必要です。ギザギザの歯になっているヘラを用いて、塗布量が均一になるように職人の技術で塗り上げていきます。

    クッション材を「しごき」という道具を使って、貼り伸ばしながらしっかりと床に接着していきます。

     カーペットを敷き込む

    仮敷

    次にカーペットを荒切りし、広げ、仮敷きをします。今回はカーペットの生地巾におさまるサイズのためジョイントは必要ありません。

    カーペットは、生地目に沿って裁断をしていきます。生地端にはボンドを塗ってほつれがおきないようにします。

    敷き込み

    接着剤を塗る

    カーペットの裁断ができたら、フェルトの上に接着剤を塗っていきます。この接着剤は、塗ってすぐに固まるものではなく、塗布後徐々に硬化するタイプです。まずは均一に塗り広げ、カーペットを敷き込みますが、その状態では綺麗に張り延ばすことができません。30分程度のオープンタイムを取った後、キッカーを用いてはりのばしていきます。

    仕上げ

    「しごき」でフェルトにカーペットを圧着していきます。フェルトグリッパー工法でも用いる「キッカー」を用いて、はりのばし、端を綺麗にあわせていきます。

    AFTER

    綺麗に均一にはることができました。

    平織り商品(商品によっては薄いループ商品)のジョイント処理について

    平織りは、織りの組織が表に出ているため、パイルのある商品にくらべほつれやすく、ジョイントする場合には特に注意が必要です。

    ジョイントする際は、経糸を抜き、緯糸を露出させ、緯糸を裏に折り返す処理をおすすめしております。どうしても緯糸を裏にまわした部分に厚みがでるため、ジョイントは目立ちやすい傾向にはなりますが、この処理を行うことで、使用時のほつれをおこしにくくなります。

    経糸を抜き、緯糸を露出させます。

    経糸を抜き、緯糸を露出させます。

    ボンドを露出させた緯糸に塗り、裏に折り返します。

    裏側に緯糸が接着しています。

    この処理を行うことで、ほつれずにジョイントができます。

    平織りの場合だけでなく、パイルのあるループ商品でも、土足での使用やキャスターチェアでの使用など、使用条件が厳しい場合には、緯糸を折り返してジョイントを行うことをおすすめしております。

    (参考記事)