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敷き込みカーペットの値段は総額いくら?計算方法を公開
敷き込みカーペットはラグとは違い、施工を必要としたり、材料のロスが出たり、結局いくらかかるのか?がとてもわかりにくい商品です。今回は、敷き込み用のカーペットの値段がおおよそどれくらいかかるのか?についてご紹介いたします。
値段算出の基本的知識
敷込みカーペットの見積もり内容
カーペットを施工する場合、以下のような費用がかかってきます。
①材料費
カーペットの材料の価格です。ロールカーペットの場合、3.64m幅×長さでの販売になるので、材料ロスに注意が必要です。
②運賃
ロールカーペットは、一般貨物での配送が難しく特殊運送になるため、別途運賃が発生する場合があります。
目安費用 ¥15,000〜¥80,000
③施工費
カーペットを施工する職人さんの費用です。
目安費用 ¥30,000/1人(20㎡程度)
④副資材
カーペットを施工するときに使うクッション材などの副資材の費用です。
目安費用 ①の材料数量(㎡)×¥1,000
⑤諸経費
施工する際の交通費や現場調査費用です。
目安費用 ¥20,000〜¥50,000程度
⑥管理費
元請けとなる工務店さんとのやりとりや、職人さんへの指示、お施主様とのやりとりなど、施工管理をする費用になります。
目安費用 ①〜⑤合計金額×10%程度
材料費のポイント
計算が特にややこしい材料費について、詳しくご説明します。
ポイント1 材料は、3.64m(幅)×長さでの販売
ロールカーペットは、3.64mの幅で生産され、3.64m(幅)×「必要な長さ」で材料は販売されています。仮に2.73m×2.73m(4.5畳程度)のお部屋に敷く場合でも、3.64m×2.73mの材料を必要とします。ここに「施工しろ」という施工をするために必要な部分があり、実際の材料は、
3.64m×2.9m(大体10cm〜20cmの施工しろが必要)となります。
ポイント2 カーペットは縦方向と横方向でつなぐことはできるだけしない
カーペットは、基本的には幅方向でつないでいきます。3.64mを超えるお部屋の大きさの場合は、「ジョイント」をしてつないでいきますが、この場合も基本的には幅方向につなぎます。
カーペットを縦(長さ)方向につなぐと、織物の構造上弱くなってしまい、経年とともにほつれてきたりする原因になります。また、縦と横をつなぐと、構造上弱いだけではなく、毛の向きがかわることで、色がかわってみえてしまいます。
ですので、仮に別の部屋であまった材料があっても、幅方向にはつなぐことができますが、長さ方向、幅と長さでつなぐことが難しく、大きなロスを発生させる場合があります。
ポイント3 柄の向きによっても材料費はかわる
これは、ループ商品など柄の向きがある商品の場合に注意が必要で、上述のとおり、カーペットの材料の販売は3.64m(幅)×長さでの販売になります。
仮に横2.73m×縦4mのお部屋がある場合、2.73mを幅として施工すると(下図①)材料数量は3.64m×4.0m=14.56㎡になりますが、柄の向きを90度回転させる場合(下図②)は3.64m×2.73m×2本=19.87㎡必要になります。
このようにカーペットの費用は、図面から丁寧に必要数量を確認しないと、正確な価格がわからない商品です。
「10畳のお部屋にカーペットを敷きたいのですが、おおよそいくらくらいですか?」というようなご質問をいただくことがあります。10畳はおよそ16㎡程度ですが、4.0m×4.0mのお部屋なのか、2.73m×5.8mのお部屋なのかによって、必要なカーペットの材料数がかわってしまいますので、注意が必要です。
概算コストの出し方
おおよそいくらくらいかを知りたいことがあるかと思いますので、その場合の概算費用の出し方は以下のような考え方になります。仮に25㎡(14畳程度)のお部屋の場合を想定してみます。あくまでも概算の概算ですので、ご参考までにご覧ください。
①材料費 25㎡×1.4倍(材料ロスの概算)×¥18,000/㎡(弊社の商品の平均単価)=¥630,000
②運賃 ¥30,000(仮)
③施工費(職人費用) ¥30,000×2人=¥60,000
④副資材費用 25㎡×1.4倍×¥1,000=¥35,000
⑤諸経費 ¥30,000
⑥管理費用 ¥785,000×10%=¥78,500
合計 ¥863,500
材料ロスを減らす方法
ポイント1 3.64m幅で足りるように他の床材との併用を考える
カーペットの材料は、3.64m幅です。仮に4.00mのお部屋の場合、40cm分を他の床材で補う、ということが有効な場合があります。お部屋の端には、本棚が来る場合や、収納スペースになる場合は、その部分をベニヤ板にしてしまうなど、工夫することで大幅に材料ロスを抑えられる場合があります。
ポイント2 同じ材料を使う
例えば、お部屋ごとに色をかえることを検討している場合、同じ商品にすることで、材料ロスが抑えられる場合があります。特に、廊下スペースや階段にカーペットをご検討の場合に、階段と他のお部屋、廊下と他のお部屋を同じ商品にすることで、材料ロスになっている部分を他の部屋で使うことができる場合があります。
フローリングとの比較
最後に、フローリング(無垢材)との価格の違いについて、少しご紹介させていただきます。
無垢のフローリング材は、材質、材料の幅などによって材料単価は変動しますが、約¥7,000/㎡〜¥15,000/㎡くらいまでの商品が多いようです。材料のロスはほとんど出ないようなので、「図面の数量×材料単価」で材料費は算出できます。
施工費については、なかなか比較が難しいです。フローリングの場合、大工さんが施工をします。つまり、家を建てるときに他の大工工事とともに施工されるため、フローリング単体として算出することが難しいようです。管理費などについても、家全体の管理費含まれている場合が多く、フローリング施工として個別に発生する費用というのが少なくなります。
カーペットとフローリングを比較すると、ざっくりと20%〜30%程度カーペットの方が高くなるように思います。
初期費用はカーペットが高くなりますが、「張替え」ということになると、また話は違ってきます。カーペットを張り替える場合、家全部を張り替えるとしても、3日程度で張替えが可能ですが、フローリングの場合は、そうはいきません。そもそも「フローリングを剥がす」ということはとても難しく、多くの場合は、既存フローリングの上に新しいフローリングを貼る、という方法がとられることが多いです。
この場合、新築の際にせっかく床レベルをあわせてバリアフリーの状態が崩れてしまうことになります。仮にフローリングを剥がして新しいフローリング材を入れる、ということになると、費用は詳しくはわかりませんが、おそらくカーペットよりも費用がかかってくるのではないかと思います。
カーペットならではの住み心地、新築の状態だけではなく、将来のリフォームや修繕のことを考え、カーペットという床材も、検討していただけると大変うれしく思います。
カーペットは、初めてお買い求めになられるお客様にとって、とても価格がわかりにくい商品です。もし不安がある場合は、お気軽に弊社にお問い合わせください。その際には、できれば図面をご準備いただいたり、おおよそのお部屋の寸法(**cm×**cmのお部屋で検討)をご連絡いただければ、概算で費用を出すこともできます。
長文になってしまいましたが、カーペットの価格のご検討にお役立ていただければと思います。