1962年に大阪府和泉市で創業の堀田カーペットは、ウィルトン織機でウールカーペットを作り続けています

お手入れ

カーペットメンテナンス〜3日放置したコーヒー編〜

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    目次

      こぼしてしまったホットコーヒーは、時間が経過するとどうなってしまうのか。

      前回の実験ではホットコーヒーをこぼしてすぐに対処すればある程度の染みを落とすことができましたが、今回は3日間そのままの状態にしてみました。

      水気を弾きやすいウール素材ですが、3日も経つとコーヒーは完全に染み込んでいます。

      コーヒーをこぼして3日間放置したウールカーペット

      水気もすっかり乾いています。染みの形が琵琶湖のよう。

      横に長くついたコーヒーの染み

      それでは前回同様お湯とスチームでそれぞれメンテナンスしてみましょう。

      お湯(右半分)

      汚れの右半分はお湯で、左半分はスチームクリーナーで実験します。

      ①お湯をかけます。

      染みの右半分にお湯をかける

      ②乾いたタオルを当ててお湯を吸い取ります。擦らないようにしましょう。

      お湯をかけた部分に乾いたタオルをあてる

      ご覧の通りほぼタオルにコーヒーの色素が移らないので、お湯での染みの除去は厳しい状況です。

      コーヒーの染みに当てたタオルにはコーヒーの色がほとんど移っていない

      スチームクリーナー(左半分)

      続いて左半分をスチームクリーナーでメンテナンスしてみます。

      ①蒸気を当てます。

      左半分のコーヒーの染みにスチームクリーナーをあてる

      ②乾いたタオルを当てて、水分をしっかりと吸い出します。

      スチームクリーナーで湿らせた箇所に乾いたタオルをあてる

      スチームクリーナーでもタオルにコーヒーの色素がほとんど付きませんでした。

      水分を吸い取ったタオルにはコーヒーの色素は移っていない

      さすがにコーヒーのような色素の濃いものを3日も放置してしまうと、ウール繊維の芯まで浸透、固着しているようです。

      お湯、スチームクリーナーともに何度か繰り返し作業を繰り返したところ、若干除去できた程度でした。

      乾かしたところ、やはり汚れがはっきり見て取れます。

      ウールは酸性のものに染まりやすい性質です。

      コーヒーは弱酸性で、色素も濃いので、3日も放置してしまうと染み抜きは難しくなってしまいます。
      市販のアルカリ性カーペットクリーナー(化学繊維用)を使えば弱酸性のコーヒーの染みは落ちるかもしれませんが、ウールカーペットの色も落ちてしまう可能性があるので、もし洗剤を使用する場合は中性洗剤の方が色落ちの可能性は低くなります。

      洗剤を使用すると色落ちのリスクは避けられませんので、やはり汚れが付着した場合はなるべく早めに対処することが大事です。

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