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WOOLTILEを2年間使ってみた感想をレポート
カーペットを床一面に敷き込むには、工事が必要で、現状回復を前提とする賃貸住宅ではなかなか導入が難しいのが現状です。WOOLTILEであれば賃貸住宅でも定規とカッターのDIYで簡単に敷き込みができ、床一面の敷き込みも、ラグ使いも自分の欲しい面積だけカーペットのある暮らしを楽しむことができます。
実際に賃貸住宅に敷き込んでみた感想はどうなのか?今回は、WOOLTILEのブランドを共に立ち上げ、デビュー前からWOOLTILEをさまざまな場所で実験的に使ってきたデザイナーさんから、レビューをいただきました。以下はご本人からのレポートです。
WOOLTILEの使用レポート
私が住んでいるのは築50年の団地で、20年ほど前に一度リフォームされているお家です。現状回復必須のためほとんど手をいれておらず、WOOLTILEが初めてのDIY。2019年の夏頃からさまざまな場所・形で敷き込み、使用感を試してきました。
- 寝室(一面)使用期間:2年
- 書斎(一面)使用期間:2年
- リビング(ラグとして)使用期間:1年
- キッチン(ラグとして)使用期間:1年
それぞれの場所での使い心地をレポートします。
1.寝室
寝室は昔畳だったところを洋間にリフォームされており、断熱材が入っていないのか冬場は床がひどく冷えました。なかなか極端な状況ですが、布団を床に敷いて寝たものなら、布団下の床が結露し、布団の裏側が濡れることも。大きな乾燥剤を床の間に挟んで寝たりしていました。
ウール素材は調湿性があるので期待していたのですが、効果てきめん。一面に敷き込んでから結露が一切なくなりました。カーペットをはがしてみても、床は特に結露したりカビたりという問題もなく、とても快適になりました。また梅雨時期はフローリングはベタベタしますが、カーペットだとさらさら。夏でも素足でこんなに気持ち良いとは思いませんでした。
フローリングに布団を敷くと、気になるのがほこりです。布団だと床との距離が近いため、ほこりが気になります。カーペットにするとそもそもほこりが舞い上がりにくいので、フローリングの時より気にならなくなりました。
気になるのはダニ問題でしたが、カーペットでダニが増えたと感じることは一度もありませんでした。ただお手入れはこまめにしています。掃除機をちゃんとかけることと、布団自体はフローリング時代と同じく、布団乾燥機のダニ対策コースなどで定期的にメンテナンスしています。
ベッドの人でも、朝起きて裸足で床に降りた時の「ひやっ」とする感じがなくなり、1日のはじまりを心地よく迎えられそうです。
2.書斎
在宅勤務なので、1日少なくとも8時間は書斎にいます。腰痛もちなので、カーペット導入にあわせて腰に良いオフィスチェアを導入しました。キャスター付きの椅子は、フローリングだと滑りすぎて腰に負担がかかるのですが、カーペットだとほどよい摩擦があり、座っている時もとても楽です。(カーペット用のキャスターの椅子を購入しています。)
何より足元の冷えが随分解消されました。冷え性なので、冬場は湯たんぽを足元に置いたりさまざまな工夫をしてきましたが、カーペットを敷いてから冷えが随分とましになりました。夏も素足で快適です。
椅子の下のカーペットは負荷が多いので、早くへたるかと思いましたが、今のところそこまではかわっていません。定期的にタイルカーペットの場所を交換すると、負荷が分散されてよさそうです。
在宅勤務が増えている今、机と椅子のサイズにあわせて必要な分だけ敷くのもおすすめです。
3.リビング
リビングはこれまでCOURTのカーペットを敷いていましたが、冬の季節から1年間ほど、ラグ的に敷き込みました。どの面も壁につけずに使ってきた時は、しばらくするとちょっとずつズレがでてきました。気になったので1面を壁につけ、角は滑り止めテープを足すと、ずれはなくなりました。
床の冷えがきつかったので、冬場はラグの下にホットカーペットを敷いていたのですが、その年はホットカーペットなしでものりきれるほど、断熱効果を感じました。
ラグに比べてクッション性が高いので、カーペットの上でごろごろしたり、ストレッチしたり、床上の暮らしが快適になりました。
たまに食べ物や飲み物等こぼしたりして汚していましたが、大体は気にならずにとれました。一番長くのこった汚れが、化粧品のチークの粉でした。数ヶ月すると気にならない程度に薄くはなりました。
タイルカーペットの境目部分が少し気になったことと、もともと愛用していたCOURTを使いたい気持ちもあり、今はCOURTを敷いています。いつか長く住む家が決まったら、リビングは全面にカーペットを敷き込みたいと思っています。
4.キッチン
リビングに使用していたものを、一番汚れそうなキッチンに敷いてみました。WOOLTILEの「洗えない」というのが最もネックになる場所です。
2.5m幅のキッチンにWOOLTILE5枚がぴったりで、特にカットせず使用しました。壁につけているのでほとんどずれませんが、一番端だけ動いたのでその1枚の角に滑り止めテープを足しました。それから一度もズレていません。
元々、キッチンマットも敷いていませんでした。キッチンはこれまでの中でも、圧倒的に「立っている」場所なので、一番WOOLTILEのクッション性を感じることができました。
また特に冬場、スリッパを履いても足元が冷えていましたが、スリッパなしでも気楽にキッチンにたてるようになりました。実家では洗えるタイルカーペットを敷いていたのですが、洗える分薄く、クッション性が少なく立った時の快適さがかなり違いました。またキッチンは歩き回る場所でもあるので、階下への足音も気を遣いますが、カーペットを敷くと響く感じはありません。
敷いてから、油はねや、液体をこぼしたり、いろんなものを沢山こぼしてしまっています。こぼしたらすぐにキッチンペーパーなどで汚れのかたまりをとると、あまり汚れがしみついていない場合が多いです。また、汚れがついた場合も、お湯をすこし垂らして布でトントン吸うだけでかなり目立たなくなります。ただそんなに神経質に使っているわけではなく、汚れが気になった時にメンテナンスしているくらいです。もちろん多少は汚れますが、1年以上使っている現時点では、特に気になる程ではありません。
また、最近発売されたカーペットクリーナーもあわせて使ってみています。もともとお湯だけでメンテナンスができるのでそこまで必要性を感じていなかったのですが、ふきかけるだけで汚れがとれるので、より気楽にメンテナンスができるようになりました。
あと予想外の嬉しかったことが、お皿を落とした時です。カーペットに落ちて、セーフ…ということが何度かありました。もちろん衝撃によって割れることもあると思いますが、フローリングに落ちるよりは助かる確率が高そうです。
メンテナンスについて
フローリングの時、掃除機はマキタの掃除機を使っていたのですが、カーペットでは吸引力が足りずにダイソンに買い替えました。掃除機は1日〜2日に1回かけていますが、フローリングに比べて摩擦は大きいので、力は多少必要になるなと感じています。また購入直後は遊び毛がたくさんでるので、掃除機はすぐにパンパンに。しかしこの毛が汚れを綺麗にとってくれるものだと思うと、ありがたくもあります。次第に落ち着いていくので、ご安心ください。
まとめ
カーペットのある暮らしは想像以上に快適で、日に日に家中全てウールのカーペットにしたいという思いが強くなりました。将来的に寝室は布団生活なら畳も良いなと思うのですが、他の部屋は全てカーペットにしたいなと感じました。以下のデメリットにあげた中でも私が気になるのは、何かこぼした時にフローリングのようにさっと拭きとれないところくらいです。
メリット
- 調湿性で梅雨時期でもベタつかない・結露がましになる
- 埃が舞い上がりにくい
- クッション性がある
- 足元の冷えがましになる
- 断熱性がある
- 階下への足音が気にならない
- オフィスチェアとの相性が良く腰に負担がかかりづらい
デメリット
- 水などで洗えない
- フローリングのような拭き掃除はできない
- 環境によっては汚れる
- 吸引力のある掃除機が必要
- 掃除機はフローリングにくらべ摩擦が強い
以上1〜2年間に及ぶWOOLTILEの使用レポートでした。
床材もそれぞれ個性があります。フローリングや、畳、カーペット。それぞれの良いところ・悪いところを理解した上で、ライフスタイルにあったものを選ぶことが大切だと思います。床材を決めるその選択肢の中に、カーペットも一度いれてみてください。